頭金について

2025年04月30日

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-9 頭金について

1. 住宅ローンの頭金の役割

住宅ローンを契約しマイホームを購入する準備として、まずは頭金を用意

するのが一般的です。

(1)不動産購入時に自己資金として入れるお金

頭金は「自己資金」として入れるお金です。住宅ローンで借り入れする金

額と合わせて住宅の購入金額として支払います。頭金が多いほど借入額を

減らせ、少なければ借入額が増えるというわけです。

頭金をどれだけ用意するかは、月々の返済額に影響を及ぼします。頭金が

多めなら月々の負担を抑えられ、少なめなら負担が増える仕組みです。

(2)支払いは融資実行日

自己資金として用意した頭金は、ローン契約後「融資実行日」までに支払

います。マイホームを購入するときには、申し込み・契約・物件完成・引

き渡しという流れで進みます。

融資実行日は通常、引き渡しの日と同日です。

住宅ローンの借入金と頭金をそろえ購入資金を全額用意し、あらかじめ営

業担当と決定していた入金のタイミングに支払うことで、物件を引き渡し

てもらいます。

 

2. 頭金を用意するメリット

(1)頭金が多い場合のメリット

住宅購入時、自己資金である頭金を多く用意できると、それだけ多くのメ

リットが得られます。

●月々の支払金額が低い

まず挙げられるのは、月々の返済額を低く抑えられることです。頭金を多

く入れれば、それだけ借入金額を減らせます。

例えば2000 万円の住宅を頭金100 万円で購入する場合と、頭金500 万円

で購入する場合では借入金額に400 万円の差が出ます。

返済期間が同じであれば、頭金500 万円の方が月々の支払額は小さくでき

るのです。

また借入額が少ない分、返済期間を短く設定し、総支払額を少なく抑える

計画も立てやすくなります。

●優遇金利を受けられる場合がある

多額の頭金を用意できると「優遇金利」が適用される場合があります。

より有利な条件で借り入れできるのは、多くの自己資金を用意できる人で

あれば、スムーズな完済が期待できると判断されるからです。支払総額を

抑えたい場合、頭金を多めに用意するのがおすすめです。

 

●審査に通りやすい

頭金を多く用意できると、審査に通りやすくなることも期待できます。

先にも述べた通り、頭金の多さが信頼につながるからです。

また、住宅購入金額のうち自己資金の比率が高まれば借入金額が減少しま

す。借入金額が少ないこともスムーズな審査通過につながる要因です。

3. 頭金はいくら入れるべき?

信頼を獲得し借入金額を減らすことにつながる頭金は、用意する金額が大

きいほど有利になります。具体的な相場や頭金を入れるときの注意点を解

説します。

(1)相場は物件価格の10〜20%

頭金の相場は物件購入価格の「1~2 割」といわれています。

例えば3000 万円の新築住宅を購入する予定なら、300 万円~600 万円を

目安に用意するのがおすすめです。なぜなら金融機関の住宅ローン借り入

れ可能額が、物件価格の80~100%に設定されていることが多いからで

す。支払い能力の判断により緩和されることもありますが、頭金を1~2

割用意できれば利用しやすくなります。

 

●手元に残す現金

頭金を多く準備するほど返済の負担は軽減します。ただし預貯金を全て頭

金として使い切ってしまうのではなく、ある程度の現金を手元に残してお

くことは大切です。

マイホーム購入時には頭金のほかに、諸費用もかかります。

新築物件なら購入価格の5~7%、中古物件なら7~10%が諸費用の目安で

す。仮に3000 万円の新築住宅では、およそ150 万円になります。また購

入直後には、引っ越し費用や家具・家電の買い替え費用なども必要です。

近い将来にあるかもしれない、車の買い替えや子どもの進学にも備えなけ

ればなりません。預貯金の中から、諸費用・生活予備費・将来への貯蓄を

差し引いた分が、頭金に充てられる金額と考えます。

 

4. 頭金なしでも住宅ローン借り入れは可能

購入金額の1~2 割が相場の頭金ですが、必ず必要というわけではありま

せん。頭金0 円でも住宅ローンの借り入れはできます。頭金を入れないメ

リットや注意点をチェックした上での検討が必要です。

●低金利時代はフルローンもアリ

金利が高いタイミングで借り入れする場合、頭金をできるだけたくさん用

意することが、支払利息の負担を抑えることにつながりました。しかし低

金利の状態が続く場合、住宅ローンの支払利息はかつてほど多くかかりま

せん。そのため頭金を多く入れることよりも、手元資金を残す方が大きな

メリットを得られるという考えもあります。

将来的に子どもの教育資金や車の購入費用など大きな支出が見込まれるの

であれば、低金利の住宅ローンを目一杯借りて手元に現金を残しておくの

も有効です。さらに勤務先や年収といった条件さえ合えば、貸し出しに応

じる金融機関が多いこともあり、フルローンでの住宅購入も選択肢として

アリという状況です。

●頭金を入れないメリット

頭金を入れないことにもメリットがあります。代表的なメリットは、早い

段階で借り入れし月々の負担を抑えられる点です。

フルローンでの住宅購入であれば、それほど多くの資金を貯められていな

い20 代でも手が届きます。20 代であれば長い時間をかけた返済ができる

ため、毎月の返済額を抑えながらマイホームを持てるのです。加えて頭金

を貯めるまでの家賃の負担がなくなります。その上、手元資金にも余裕を

持てます。

 

理想の住宅を見つけたとき、購入のタイミングを逃さずに済むというのも

メリットです。頭金なしで購入する選択肢があれば、頭金がないからと購

入を諦める必要がありません。

●頭金を入れると住宅ローン控除が減る

住宅ローン控除とは、住宅購入に際し住宅ローンを借り入れた人が受けら

れる税控除のことです。住宅ローンの年末の残高に応じて税控除が計算さ

れるので、頭金を多く出して借入金額を小さくすると、住宅ローン控除額

が減少することになります。

●リスクの把握

フルローンによる住宅購入はメリットもあり、選択肢の一つとして有効で

す。ただしリスクも存在します。勤務先や年収によっては、そもそも住宅

ローンを利用できない可能性があります。また借り入れできたとしても、

総返済額が増え返済期間も長く設定されます。さらに金利が上昇すると、

返済の負担が大きくなる可能性もあります。

返済の負担が大きく支払いができなくなった場合、住宅を売却しローンを

支払わなければならないこともあり得ます。このようなとき、頭金0 円で

はローン残高が大きく、売却した金額のみで返済しきれないケースが発生

します。